DailyEconomic – 中国経済は2025年上半期に予想外の回復力を示したため、ANZのアナリストは通年の成長率見通しを上方修正した。一方で、デフレと対外的な問題が依然として主要なリスク要因であると警告した。
ANZのアナリストはリポートで、予想を上回る輸出と国内消費が不動産セクターの継続的な低迷を相殺したことを受けて、見通しを上方修正したと述べた。
ANZは、中国の2025年の実質GDP成長率を5.1%と予想しており、これは従来の4.2%から上方修正された。また、上半期の経済成長率は5.3%と力強いと見込まれている。
アナリストによると、上半期の輸出は前年比5.9%増で、これは観光産業の回復が1.7%ポイント寄与したことが牽引した。また、小売売上高は5.2%増加した。
しかし、名目GDP成長率はわずか3.9%にとどまり、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が依然としてマイナス圏にあることから、デフレ圧力が依然として根強く残っていることが浮き彫りになったと指摘した。
ANZは、住宅市場の低迷は依然として続いているものの、その影響は和らぎ、今年上半期の新築住宅販売はわずか5.2%の減少にとどまり、2024年の17.6%減から大幅に改善したと指摘した。
ANZは、中国が20ベーシスポイントの利下げと財政刺激策の継続を予想しており、未使用の財政赤字余地は10兆元を超えるとしている。
ANZは、2026年のGDP成長率を4.8%に引き上げ、徐々に消費へのリバランスを進めていくと述べた。
しかし、アナリストらは構造的な課題が依然として残っており、供給側改革だけでは需要を押し上げることができない可能性があると警告した。
報告書は、7月に開催される中国共産党政治局会議で、より明確な政策指針が示される可能性があると強調した。